suisei in my head

夜になっても遊びつづけろ

エヴォリューション


『エヴォリューション』予告編

 

「エコール」のルシール・アザリロヴィック監督作品。

(ネタバレあり感想)

 

映像が終始薄暗く、不穏な予感が漂っており、まがまがしくて、とっても美しい。ストーリーをおいても、映像だけで観る価値があります。

少年と女性しかいない海辺の町で、お母さんたちは何か秘密を隠していて、奇妙な医療行為を…という話の筋もまたまたグッとくるものがあります。

ざっくりネタバレ要約すると、少年たちのお母さんは本当の母親ではなく、背中に吸盤のようなものがある生き物で人間ではなく、少年たちはどうやら外部から島に連れて来られて、妊娠出産させて種を残すために、女たちに利用されている。帝王切開で赤ちゃんを取り出すシーンがグロい。

主人公のニコラは、元々は都会にいたのを連れて来られたみたいで、自転車、サッカーボール、クリスマスツリー、自動車、きりん、それから観覧車、本物の母親と思しき絵を描いている。ラストは、看護師のステラの助けで、小舟で文明社会に帰還したところで幕。

この話、私が最初に連想したのは、宇宙人にUFOで誘拐されて、謎の手術とか実験されて戻される(あるいは逃げ出した)っていう、アブダクションものと話の枠組みが同じだなって。

舞台になっている島は、我々の社会より文明的には遅れているようにも描かれているんだけど、女たちは水中でも呼吸できたり、ある意味では人間より高度な生命体なんだよね。ヒトデの擬人化って感じもあったけど…。ここでは「大人」の「女性」が妊娠するのでなく、「子供」の「男性」が妊娠するという、現実社会との反転が起きているんだけど、これも一つの進化(エヴォリューション)なのかなぁという。生命の歴史は海中からで、人間は次のフェーズの進化では両生類や水生生物寄りになっていって海へ戻っていく的な。

あと海水の成分は羊水と似ているって話を思い出させるシーンが随所にあります。

 

2018年マイベストミュージック

2018年、こういう気分だったというのが表れてる感。

 

SWEAR

SWEAR

 

  

Ain't nothing (feat. Friday Night Plans)

Ain't nothing (feat. Friday Night Plans)

 

 

夏の天才

夏の天才

 

 

Little Dark Age

Little Dark Age

 

 

DIRTY COMPUTER

DIRTY COMPUTER

 

 

Yours

Yours

 

  

Blurred

Blurred

 

  

Ballet Mécanique

Ballet Mécanique

 

 

旧譜篇。 2018年リリースじゃないけど、今年よく聞いた音楽。

French Kiwi Juice

French Kiwi Juice

 

  

夏の魔法

夏の魔法

 

 

Swung From the Branches

Swung From the Branches

 

 

2018年マイベスト漫画

このマンガが俺の中で熱い、2018。

2018年開始に限らず、今年刊行があり、今年読んで面白かったマンガです。

 

続きが気になる漫画SF部門。

きみを死なせないための物語 4 (ボニータコミックス)

きみを死なせないための物語 4 (ボニータコミックス)

 

 感想

きみを死なせないための物語 4巻 - suisei in my head

 

 

続きが気になる漫画ホラー部門。

感想

青野くんに触りたいから死にたい 4巻 - suisei in my head

 

ホラー漫画は今年これを読みはじめたらめっちゃ好きだった!

死人の声をきくがよい 1 (チャンピオンREDコミックス)

死人の声をきくがよい 1 (チャンピオンREDコミックス)

 

 懐かしいようで新しいホラー漫画、、怖さと、かわいさと、シュールさが絶妙。

 

ホラー漫画ではこれも面白かった!除霊BL漫画。バディものとも言えるかな。

ホラー部分はしっかり怖く、除霊シーンはエロいことしてないのになぜかエロい、でも私みたいにまったくBL読まない人も大丈夫、オススメ。

 

 旅漫画部門。

北北西に曇と往け 2巻 (ハルタコミックス)

北北西に曇と往け 2巻 (ハルタコミックス)

 

 ロードノベル(ロードコミック?)と、探偵っていう組み合わせが既に良いんですけど、アイスランドが舞台というのがまたよく、2巻はもはやガイドブック。

出てくる食べ物やコーヒーがとっても美味しそうで、食べ物描写好きには堪らず、もっと描いて欲しい。ちょっと、はしゃさんの旅行記を思い出し。謎解き部分や弟のブラック面は今後、そろそろ明かされていくのかな?と思うので楽しみ。

 

一体どこに収束するの?どうなっちゃうのー?!と思ったらこんな終わり方部門1位。笑 まさにあげくの果て。

でも面白かった!弟くん、、、。

あげくの果てのカノン 5 (5) (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン 5 (5) (ビッグコミックス)

 

似た印象のラストの恋愛漫画でこれも。こちらも今年完結。

 不幸になるとわかっていても、日常に戻ろうとしても、性懲りもなく、恋は落ちていくもの、というのが似てる。瑠璃さんの方が、かのんより一枚上手なラストだけどね。

潜熱 (3) (ビッグコミックス)

潜熱 (3) (ビッグコミックス)

 

 

恋愛漫画だとやっぱこれも。

絵が可愛くてソフトになってるけど、よくよくリアルで考えるとまあまあエグい話だな、、。キャラクターが魅力あるのです。

凪のお暇 4 (A.L.C. DX)

凪のお暇 4 (A.L.C. DX)

 

 

菊地成孔の粋な夜電波

粋な夜電波も、なんと年内で放送終了。

筒井康隆さんゲスト回を聴いて、久々にこの本を引っ張りだして来ました。

筒井康隆さんはこのラジオ番組を聴いたことはなかったんだけど、ラジオの書き起こしのこの本を読んで面白いと思って、ラジオ前口上のパロディの短編を書いたっていう。

(「文学界」2018年3月号「ダークナイト・ミッドナイト」)

これ確かに読み物としても面白いのよね。笑

コントも、ちょっと不条理ショートショートみたいなのもあったりして。

2巻が今月発売。

菊地成孔の粋な夜電波 シーズン6-8 前口上とコントの爛熟期篇

菊地成孔の粋な夜電波 シーズン6-8 前口上とコントの爛熟期篇

まさか最終シーズンまで発売されるのかでしょうか、、

青野くんに触りたいから死にたい 4巻

(ネタバレ感想)

そういう展開きちゃいますか、、、

ピュアラブな切ないボーイミーツガールでありつつ、絶妙にエロく、そしてホラー漫画。

ホラー展開部分の描き方が秀逸で、めっちゃゾクッとする怖さ。

優里ちゃんの家はほんと毒親毒姉なのね。青野くんが成仏しちゃったら、この辛い世界で優里ちゃんが生きていけるのか、心配になる。

藤本くんと堀江さんはめっちゃいい人で、少なくとも良い友達はできてよかったけど…。

子どもには青野くんが、あの恐竜みたいな化け物に見えて、優里にだけあの姿に見えるんだね。読み返すとバレー部の怪我した内田も「犬じゃなくて もっと口が裂けてて 気持ち悪い」「牙のある何か」って言ってる(2巻)。

自殺した青野くんの母親と思われる女の登場シーン、ガチャリッ ガチャッ バタンて2巻の「帰ってきた」シーンと音が同じなの芸がこまかい。あの優里ちゃんが無理矢理ご飯食べさせられてた汚い家は青野くんの家なのかな。予告からすると5巻は青野くんの家に行って弟(鉄平?)に会う流れか。

優里に比べるとリア充っぽい青野くんも、水族館デート回で弟の話するとき含みがあったし、両親亡くしてて、母親はあれで、これはどうやら家庭環境に根がある話なのかなと。青野の母親と同じこと(自殺)をしようとしたのが最初のトリガーだし、「死んでもいいの…?」は青野くんの中の母親の記憶っぽい。

続きが気になるー。

×印の意味は、「君と俺がここまで来たという印」とな。直感的には、×印ってまさにマーキングっぽいけど。

ルポルタージュ ー追悼記事ー

幻冬舎ルポルタージュも持ってますが、買い。

幻冬舎版の1話がテロ事件発生の2033年12月、講談社版は事件後、2月14日から。

幻冬舎版を読まなくてもストーリーに入っていけるようになってますが、実質、3巻の続きでもありますね。

恋愛は非合理的という考えが急速に進んで、恋愛を「飛ばし」て結婚するのが主流になった社会。非・恋愛時代に恋愛は馬鹿げてないって、恋愛している聖先輩。恋愛しなくて済む社会になってホッとしている人。恋愛に憧れてもできない人の歪んだ思い。

これは恋愛に対する、色んな人の、それぞれのアティチュードの話でもあるのね。

講談社版では、まだ絵野沢ちゃんがあんまりクローズアップされてなくて不満。

恋人の葉さんも、ここから読み始めた人はなんかよくわからないポッと出の男に見えるのでは?笑

幻冬舎版のね、主人公が恋に落ちた描写、恋に落ちていく描写が秀逸でめっちゃ雰囲気あるのでみんなに読んでほしい。

きみを死なせないための物語 4巻

きみを死なせないための物語 4 (ボニータコミックス)

きみを死なせないための物語 4 (ボニータコミックス)

(ネタバレ感想&考察)

 

きみを死なせないための物語。

近年めずらしい少女漫画×SFで、キャラの関係性に萌える恋愛漫画でもありつつ、社会的契約でパートナーを決める管理社会と優生学的な差別を扱った骨太なディストピアものでもあります。

いまとっても続きが気になる漫画。

 

4巻は終盤で大きく話が動きました。

 

リュカさんが見たものは、、、?

ロケット外壁が壊されて外の宇宙見て「嘘だろ」であのカット。

って、つまり「地球は既に存在しない」という表現に見えたけど合ってる?

コロニーのみんなが見ている美しい「地球」は映像的なハリボテのようなもの?

じゃあテザーの先はどこに繋がってるんだ、という話になるので、別の惑星(火星とか、月とか)に実は繋がってるか、もしくは地球は一応は現存してるけど外見も荒廃し変わり果てたもので、人類が未来永劫帰還可能な地球ではないとかかな。そうだとするとあの政府CM皮肉ですね。

そういえば、この漫画宇宙が舞台なのに月が全然見えない(出てこない)ことも伏線なのかな。地球の近くにコロニーがあるなら、ちょうど常に反対側を周回してるとかでない限り月が見えそうなはずだけどそういう説明も今までなかったよね?宇宙考証の監修も付かれてる漫画なので意図的なものを感じる。そしてこの物語の1話の始まりは、「かぐや姫」は秘密…。これは「地球」=月説あり?

巻が進むごとに表紙の地球が欠けていってるのも、最終巻表紙で完全に消えるフラグ立ってるね。

 

 

そしてアラタさん、天上人(テクノクラート)入り!

これは魂売ったと思いきや、弱者(ダフネー、そして「きみ」)を救うために組織の上層に潜入してから革命を起こして社会をぶっ潰すヒーローっていうお約束の胸熱展開が最後に待ってると思っていいんですよね?よね??

続きたのしみにしてます。