なくてもよくて絶え間なくひかる

なくてもよくて絶え間なくひかる (裏少年サンデーコミックス)

マンガワンアプリで全部読んだけど、読み返したくて買っちゃいました。

タイトルがめっちゃいいなぁ。

「なくてもよくて絶え間なくひかる」。

きれいなものばかり見てる、内向的で、他人に対しても現実に対しても向き合ってない主人公が、他者に、現実に、ちゃんと向き合えるようになるまでのボーイミーツガール。

いつも映画行ったり一緒にアイス食べたりしてた丸目の友達だけ妄想のイマジナリーフレンドで、それ以外はすべて現実の出来事と読みました。あと子どもの頃呼べば来てくれた「ゴールデンユキコ」はまさにイマジナリーフレンドだけど、「五卯留伝有木子」は現実の、ありふれた、ずっとフツウの一人の女の子で、それを認めたときから、やっとちゃんと関われるようになる。

主人公が自分の妄想に気付くシーンで「現実以外のものなしじゃ…おまえはとても無理だったんだから。」「お前は何も、悪くないんだよ。」と言うのが父親の姿をしているのは、これが本当は父親に言ってもらいたい言葉だったからなんでしょうね。

女の子がとても可愛いし、初夏から夏にかけてのキラキラ感、切ない清涼感がたまりません。

主人公の竹智さんに対する態度はクズだなーと思うけど、脆い、間違えてしまうものとして思春期が描かれているので仕方ない。序盤はリア充でコミュ強者っぽい町山がユキコパパの死でバランスを崩してしまったみたいに、平気そうに見える他のみんなも、たぶんほんとはさみしかったり脆かったりする。