奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール
渋谷直角さんの前作「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」は正直言ってちょっと買って損したなと思いましたが,これはわりと率直に面白かった。
サブカルがサブカルを以てサブカルを殴りに行くスタンスはそのままに,
オシャレライフスタイル雑誌の新米編集のお仕事漫画的な側面もあり(つーか締切守らないコラムニストのくだりとかの方が,本筋の恋愛あーだこーだより面白い気がする)。
あと惜しむらくは画力のせいで女の子がまったく可愛く見えないという…。
この手のミューズにはモテキ映画版の長澤まさみくらいのマジカルな可愛さがないと話として成立しないじゃーん。
ペリカンの食パンとかゼリーのイエとかPeople Treeのチョコとか,ちまっと描かれてる小道具もああ~というチョイスで,奥田民生が好きな主人公に対して,カンバス,森は生きている,CHVRCHESっていうのもああ…って感じ。togetterで炎上とかクソリプとかNAVERまとめとかまでくるともはや草不可避。
2015年のサブカル亡霊はこういう形でやってくるという。
(ただし帯に自意識の不良債権とか書いてるけど主人公は別に自意識こじらせ系じゃなくて,結構まっとうな奴だった。民生が好きって時点でまあそうか。)