suisei in my head

夜になっても遊びつづけろ

バード・ボックス


音だけの世界で、人を信じることができるか? 『BIRD BOX/バード・ボックス』

Netflixオリジナル映画。

(ネタバレあり感想)

 

終末ものが好きなので観てみた。

「音を出したら死ぬ」映画の「クワイエット・プレイス」を観た時も「この設定考えた人天才?」と思ったけど、「バード・ボックス」は「見たら死ぬ」というシンプルな設定が秀逸。(これは原作があるのね。)あとは「聴いたら死ぬ」映画の名作があれば、見ざる聞かざる言わざる御三家になるけど、聞かざるはシチュエーション・スリラー的には登場人物にかかる制限が弱いのと、映画的には地味になってしまうので微妙かしら。「バード・ボックス」の何が受けたかというと、登場人物がずっと目隠ししてる絵面がフォトジェニックっていうのもあると思うので。

見たらダメな「アレ」が何なのか、結局はっきりは明かされないまま終わる。最初のニュースでは謎の疫病か?という扱いなんだけど、途中で「心に闇を抱える者は見ても平気」というスピリチュアル設定が出てきて、うーん…「アレ」は悪魔的なもので、闇を抱える者たちは呼応しているので平気、という感じでしょうか。人類に対する神の審判というよりは、理不尽な圧倒的超自然的暴力的存在の系譜、まさに悪魔的なものに見える。森の中で心の声的な感じで誘いをかけてくるシーン、なんかシューベルト「魔王」っぽいし。でも自殺行為に及ぶ条件は、心がどうとかなく完全物理、物理的に見るか否か、なのは設定が活きていてよいですね。

サンクチュアリは盲学校でした、という結末は、意外と私は思い浮かばなかったので良かった。っていうか思えば目隠しして外出するとき、みんな杖持ってけばいいのにそうはしてなかったね(結末の意外性がなくなっちゃうから?)

ただラスト、自分がどんでん返し系映画の見過ぎなのか、もう一段何か悪いオチや罠があるんじゃないかとめっちゃ構えてしまった…けど特になく、美しいユートピアに辿り着いて終わった。少し似たところのある映画「ミスト」のオチみたいなのを想像してしまった。

でも面白かった。Netflixがんばってるなー。